アニサキス症について 
   アニサキス    
    アニサキスはクジラ、イルカ、アザラシなどの海産哺乳類を最終宿主とする線虫類で成虫は
  これら宿主となるクジラ、イルカなどの胃の中に寄生し産卵された卵は糞便とともに海中へ排出
  されます。海中で孵化した幼虫は中間宿主であるオキアミに摂取され第二期幼虫となり、次いで
  それをエサとするサバやスルメイカなど待機宿主の体内で第三期幼虫となります。これをクジラや
  イルカが食べることでアニサキスは最終宿主の体内に侵入してはじめて成虫へと成長します。

    人に被害を及ぼすのは主に第三期幼虫でこれが寄生した魚介類を生食することでアニサキス
  症を引き起こします。日本近海では150種以上もの魚類からアニサキスの寄生が確認されている
  のでサバやスルメイカ以外にも魚介類を生食する際には注意が必要で最近ではカツオでの症例数
  も増えているとのことです。  
 
    第三期幼虫は体長10mm〜40mmと肉眼でも確認できる大きさで誤って人が摂取してしまうと
  胃酸には強くしばらくの間は体内で生き続けることになります。摂取後2〜8時間以内に胃や腸
  に激痛を感じるのは幼虫が粘膜に穿入するためで胃アニサキス症の場合は内視鏡による摘出
  で症状はすぐに回復します。また腸アニサキス症の場合は内視鏡による治療ができないので
  保存的治療で数日以内に自然治癒します。

    日本での症例は2017年の患者数242人から2018年は478人と増加傾向にあります。
  アニサキス症の発症にはアレルギー反応の関与が考えられるので初感染の場合には痛みも
  感じず感染に気付かない緩和型のケースが多く2回目以降再感染の際に即時アレルギー反応を
  起こし劇症型となるケースが多いようです。また体質によっては何回感染しても全く症状が
  出ない場合もあるようです。
 
    これと言った特効薬も見つかっていないのが現状で人の胃酸には強く例えば酢の中でも
  50日くらいは生き延び生理食塩水なら150日以上の生存も確認されています。また放射線照射
  の実験では食品照射線量としてはほぼ上限の0.6Mradの照射によっても殺虫効果は認められない
  ほどの生命力の強さ。間違っても料理の中に混入しないよう釣り人各自で充分に注意しましょう。
  また外傷に弱いとのことでお刺身を食べるときはよく噛むことも予防法の1つと言えます。



  
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